闘牛の牛は赤い色に興奮するわけではない

闘牛士の小道具といえば、鋭い剣に真っ赤な布。大きく広げた布をヒラヒラさせると、挑発された牛が突進してくる。だから赤い布は牛を興奮させるためのもの、とされてきたましたが、実は決して赤い色に興奮しているわけではありません。

闘牛士の布に興奮するのは色が赤いからではなく、ヒラヒラ動いているから。ネコジャラシを動かすと猫がじゃれつくのと同じで、ヒラヒラ動きさえすれば、赤でも黒でも緑でもかまわないのです。

しかし、闘牛の布の色は、心理学的に見てどうしても赤である必要があります。理由は、赤が人間を興奮させる色なため、赤い布を広げることで、闘牛士の士気が高まり、観客も熱狂する。
闘牛はショーなので、牛よりもまず人間が熱狂しなくては始まらない、というわけです。